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2023年11月07日経営支援コラム

金融機関へリスケ・融資を交渉する際に、経営者が事前に検討する事項と準備しておく資料は何か

経営者が金融機関へ融資やリスケを交渉する時は、事前に交渉内容を検討し、

計画書、資金繰り表などを準備することが必要です。

 

多忙な経営者の負担を減らし、自社の改善とともに歩んでくれる専門家が経営者をサポートします。

 

 

金融機関とのリスケ・融資の交渉時に経営者が注意すべき点

経営者が金融機関へリスケジュール(返済額の軽減)や融資の申込みなどを交渉する前に、

検討しておくべき事項があります。

 

相談する内容は自社が望む方向と合っているか、どのような資料を提出するかによって、

交渉の期間や成否が変わる可能性があります。

 

自社にとって望ましい結果を導くために、経営者が知っておくべきポイントを解説します。

 

 

金融機関との交渉。その前に

経営者が自社の資金繰りについて金融機関と交渉を始める前に、次の2点を検討しておきます。

 

・交渉の目的(交渉内容)が自社に合う選択肢であるか

・交渉の目的に応じた事前の準備として必要となるもの

 

 

交渉の目的を決めておく

企業の資金繰りを維持、改善する主な方法は次の4つです。

 

・新規借入:追加で借入を行う方法

・借換:新たな借入で現在の借入を返済することで、元金返済額を減らす方法

・リスケジュール(リスケ):借入の元金返済額を減額またはゼロとする手続き

・自力改善:売上増加、経費削減、在庫の早期販売などの対策

 

上記のうち金融機関との交渉は借入、借換、リスケの3つです。
自社に合う方法はどれか、次のメリットデメリットを考慮して検討します。

 

 

事前の準備が審査に影響する

金融機関へ具体的に相談する前に、自社の業績の現状などの説明資料を準備します。

 

資料がなく、経営者が明確に説明できない場合、

「自社の資金繰りを把握していない経営者」と悪い印象を持たれる可能性があります。

 

また資料が無い状態では、金融機関側が具体的に検討することができず、

審査にかかる期間が長期化することがあります。

 

 

 金融機関との交渉時の注意点(融資申し込み編)

金融機関へ融資を申し込む際に、経営者が留意しておくべき事項は次のとおりです。

 

 必要な資料は、現状・予測・資金繰り

金融機関が知りたい3点を説明する資料を準備しておきます。

 

・現状がわかる資料

決算書、試算表、借入金の明細などです。試算表は最新時点のものを作成します。

 

・予測(見通し)を示す資料

今期の損益見通しや経営計画書などです。

社内用に作成した予算書(損益の概要がわかるもの)で代用することもあります。
企業によっては、予測の貸借対照表を求められるケースもあります。

 

・資金繰りがわかる資料

金融機関が最も重視する事項が資金繰りです。

今後、数か月間から1年間程度の月次資金繰り表が最も標準的です。

 

 

 専門家の協力は必要!?

以下の場合は専門家の協力を得ることが望ましいです。

 

・業績見通しがわからない、見通しを作成できない

・業績不振である(連続で赤字、債務超過など)

・別の金融機関で融資を断られた

 

なお融資の申込みにおける専門家の協力とは、主に金融機関提出用の資料作成への支援です。

 

融資の申込みの際に、社外の専門家が同席するケースは多くありません。

 

金融機関としては、

社外の者が同席していると経営者が話しにくいことについても聞くことがあるためです。

 

ただし、自社が次のような状況である場合は、専門家の同席が好ましくなります。

 

・業績が大幅に悪化しており、抜本的な解決が必要

・創業、起業など初めて借入する場合

・専門家から紹介された金融機関と交渉を開始する時

 

 

最も必要なものは時間

事前に試算表や業績見通しを作成するためには時間がかかります。

 

また金融機関との融資の交渉や、金融機関における審査にも時間が必要です。

 

時間に余裕がない融資の申込みは「他の金融機関から融資を断られたかもしれない」

「資金繰り管理が甘い経営者かもしれない」と推測される可能性があります。

 

あらかじめ自社の資金繰り表を作成するなど、自社がいつ、どの程度の資金が不足するか、

事前に確認しておく必要があります。

 

 

金融機関との交渉時の注意点(リスケジュール(返済軽減)編)

リスケとは、現在の借入金の元金返済金額を減らすまたはゼロとする手続きのことです。

 

多くの場合、当面6か月間、あるいは1年間の期間内での元金返済額の減額を行います。

 

以下で説明するとおり、リスケの交渉はリスケ後を見据えて慎重に判断する必要があります。

 

 

リスケジュールが自社にとってベストか、慎重に判断

リスケは返済額を減らすメリットのほかにデメリットがあります。

 

リスケを申込む前に、

自社の資金繰りや改善までの期間などを専門家へ相談することがおすすめされます。

 

リスケの主なデメリットとして、次の例があげられます。

 

・リスケ期間中に資金不足となりそうだが、追加の融資はできないと断られた

・リスケによる借入期間延長に伴い、保証協会の保証料が追加で発生した

・減額した元金返済額を、リスケ期間終了後の元金返済への上乗せを求められた

・リスケ期間中の融資利率の引き上げを求められた

 

関連記事:コロナ融資(ゼロゼロ融資)の返済開始などで資金繰りが厳しくなった際の、銀行返済の猶予という対応(リスケジュール編) 

 

 

リスケジュール申込みで必要な資料

リスケ申込みで求められる主な資料は次のとおりです。

 

・現状がわかる資料

試算表など、現時点での業績がわかる資料が必要です。

 

・借入の返済、資金繰りに関する資料

今返済している借入の返済条件とともに、今後の資金繰り資料が必要です。

リスケ期間が長い場合は、専門家の関与による経営改善計画の提出を求められることも多いです。

 

・業績見通しがわかる資料

経営計画書など、今後の業績を予測する資料のことです。

資金繰りが悪化し、リスケを開始するまでの期間が短い場合は後日とされることもあります。

 

 

専門家の協力は有効、同席はケースバイケース

リスケ交渉を円滑にすすめるポイントは次の2点です。

 

・借入があるすべての金融機関へ申し込む

・返済金額は一般的な基準に基づいた水準を希望して、交渉に臨む

 

リスケに慣れている経営者は殆どいないため、専門家の協力や交渉への同席が望ましいです。

リスケの交渉時に必要な次の点を中心に専門家へ相談しておきます。

また経営者が説明しにくい場合は、金融機関との交渉への専門家の同席が望ましいです。

 

・自社で返済できる金額の試算

・リスケが必要な期間

・金融機関ごとの返済条件

・金融機関への説明と交渉の内容

 

 

リスケジュールにも時間が必要

リスケを申し込み後、実際に返済金額が減るまで時間がかかります。

金融機関での審査があるためです。

取引行が複数ある場合は全行同時期にリスケを開始することが望ましいため、

リスケが成立するまで時間がかかることがあります。

 

 

リスケジュールが断られることもある!?

コロナ融資(ゼロゼロ融資)の元金返済開始における対応などにより、

金融機関はリスケの承諾に柔軟な姿勢にあるといわれています。

 

また資金繰りが悪化している企業の場合、当面6か月間程度の期間でのリスケを承諾し、

その間に専門家の支援を受けた経営改善計画書の作成を条件とすることが多くあります。

 

それでもなおリスケの申し出に応諾できないケースもあります。

 

リスケが断られるケースとして次の例があげられます。

 

・返済を延滞している

・融資金の使い途に違反があった

・法律違反や助成金受給などに問題があった企業

 

 

リスケジュールは、リスケ後の報告を想定して専門家を事前に探しておく

リスケにおいて専門家を活用する時は資料作成への支援だけでなく、

リスケ後も自社とともに伴走してくれる専門家を選ぶことがおすすめです。

 

金融機関がリスケを承諾する際の条件として、

リスケ期間中に6か月ごとなどの定期的な業績報告を求めることが多いためです。

 

リスケ後の業績報告においては次の事項の説明が求められます。

 

・経営改善策の実施状況

・業績の状況と計画との比較

・計画を下回っている場合の追加改善策

 

リスケを検討する時はリスケ後を見据えて、企業と経営者の努力に寄り添い、

経営改善へのアドバイスや金融機関への定期的な業績報告などを親身に支援してくれる弊社のような専門家への相談が、

経営者の改善努力をサポートします。

 

 

まとめ

融資、リスケとも、経営者が金融機関へ説明する内容は

「業績の現状」「今後の業績見通し」「資金繰りの見通し」である点は大きな差はありません。

 

計画書や資金繰り表の作成は多忙な経営者に負担がかかるため、専門家の活用が有効となります。

 

融資・リスケともに、経営者の改善努力に寄り添い、

ともに歩む弊社のような専門家が経営者を支えます。

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