お知らせ・コラム

2023年12月05日経営支援コラム

運送業者だけが使える資金調達方法「トラックリースバック」を解説

運送会社は保険料支払、車両の更新、新車の納車待ちなど、資金繰りの管理が大変な業種の1つです。

複雑な運送会社の資金繰りに活用できる資金調達方法として、トラックリースバックが広まっています。

トラックリースバックは社外からは見えにくい資金調達であるとともに、

資金繰りが管理しやすくなるなどメリットが多いサービスです。

 

 

 

トラックリースバックとは

トラックリースバックとは、自社で所有しているトラックをリース会社へ売却し収入を得るとともに、

売却したトラックをそのまま借りるサービスのことです。

リース会社や中小企業向けの金融サービス会社などが提供しています。

トラックを売却した後も車両不足とならず、財務面の指標が良くなる、コスト管理が容易となるなど、

『持つより借りる』メリットが活きる資金確保策です。

 

トラックリースバックの主な流れは次のとおりです。

 

①売却する車両についての金額の査定をリースバック会社へ依頼する

②利用者が車両をリースバック会社などへ売却

③利用者の口座へ売却代金が入金される

④(リース付車両の場合)リース残債を精算する

⑤利用者とリースバック会社でリース契約を結ぶ

⑥利用者は売却した車両をそのまま利用できる

⑦利用者はリース料を毎月支払う

⑧リース契約満了時に、自社での買取、再リース、返却などを選択することができる場合がある

 

トラックリースバックの対象となる車両は、

リースバックサービスを提供している会社によって様々です。

なかには、PMG車両リースのように、

トラックだけでなく、重機、バス、パッカー車など幅広い車種や、

土木工事会社、産廃会社など運送業以外の会社も利用可能なサービスが登場しています。

 

トラックリースバック契約の形式は次の2種類があります。

 

・ファイナンスリース契約

決算書において、リース資産(車両)とリース債務の計上、減価償却費の計上が原則として必要です。

 

・オペレーティング契約

決算書においてはリース車両の計上や減価償却費の計上は不要です。

リース料の損金計上のみとなります。

車両が簿外となるため、自己資本比率など財務面の指標が良くなる効果があります。

 

 

トラックリースバックのメリット

トラックリースバックの主なメリットは次の3つです。

 

車両売却による収入を得ることができる

愛着がある現在の車両をそのまま継続して利用できる

車検や修理費用の負担がリース料へ一本化され、資金繰りが平準化する

 

まとまった額の資金調達ができる

保有している車両を売却することで、一時にまとまった金額の収入を得ることができます。

 

現在の車両をそのまま利用できる

リースバックは売却した車両をそのまま継続的に利用するリース契約を結びます。

社名のロゴなどを外す必要もないため、愛着がある車両を手放す必要がありません。

またレンタカーナンバーとならないなど、社外からはわかりません。

 

資金繰りが平準化する

リースバックの利用者は、リース会社へ毎月一定額のリース料を支払います。

車両に関する保険料やメンテナンス費用がリース料に含まれるため、コスト管理が容易となります。

保険料支払月などのコストの増減がないため、資金繰りの見通しが明確となります。

 

 

トラックリースバックのデメリット

メリットが多いトラックリースバックですが、デメリットもあります。

 

リース料が発生する

毎月、リース料の支払いが必要となります。

毎月一定額の支払いが必要であるため、売上が少ない時期などは支払いが負担となることがあります。

 

所有者名義がリース会社となる

リースバックした車両の所有者はリース会社となります。

このためリースバックの対象となっている車両を改装する、

カスタマイズするなどの場合はリース会社の承諾を得る必要があります。

 

契約期間内の解除は難しい

トラックリースバックはリース期間中の途中解約ができないことが原則です。

何らかの事情でリース契約を解除する場合は、違約金が発生します。

 

トラックリースバックのサービス会社を選ぶときの注意点

トラックリースバックは多くの会社からサービスが提供されていますが、

サービス提供会社を選ぶときに最も大切な点があります。

 

資金繰りや収支の改善策を総合的に検討したうえで、リースバックの採用を検討すること』です。

 

リースバックは資金調達手段の1つです。資金繰りを抜本的に立て直すためには、リース料の見直し、

リースバック以外の資金繰り改善策の検討なども大切です。

 

運送会社の経営者が資金調達と経営改善の悩みを相談するときは、

次の3点の対応が可能な弊社のような専門家への相談が勧められます。

 

・資金繰りの改善策全般に詳しい

・運送業界について理解が深い

・借入サポート、リースバック、ファクタリングなど、多面的に助言または紹介が可能

 

 

 

まとめ

トラックリースバックは、保有している車両を現金化するとともに、

その後も継続して利用できるなどのメリットがあります。

またコストがリース料に一本化され、

資金繰りが明確となるなど経営管理しやすくなるなどの特長があります。

 

リースバックによる資金調達やリース料の見直しなど、資金繰りや収支の改善策の立案は、

一般的な資金繰りだけでなく運送業に詳しい専門家に相談することで、

会社全体の改善への助言を得ることができます。

 

弊社PMG Partnersは中小企業のあらゆる経営課題に対応する総合経営コンサルティング会社です。

ご相談者さまの30%を物流運送会社が占めており、

資金繰り改善から人財戦略など多面的なアドバイスとグループ会社からの

金融サポートサービスで会社経営を的確にサポートしています。

 

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