2023年11月21日スタッフブログ
コロナ融資19.4兆円、1兆円が回収不能・困難に。返済できない企業の倒産相次ぐ。
政府系金融機関が新型コロナウイルスの影響を受けた中小零細企業に対して実施した
実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)のうち過剰債務が増幅した結果、
返済不能または返済困難な恐れがある合計額が約1兆円にのぼることが公表されました。
この融資制度はコロナ禍の売上低下が懸念される多くの事業者にとって
資金繰りを支えるための資金(赤字補填資金)として需要があり、
融資要請も殺到したことでも有名であり、近年あまり見ることのない、
まさに、“特別融資”でした。
ゼロゼロ融資による資金調達は、
企業倒産やそれに伴う失業者の急増という危機的状況の回避に効果を発揮しました。
しかし、その反面、緊急支援策としてスピードを重視した結果、
すでに経営が行き詰まっていた企業に対しては延命措置に過ぎず、
融資審査も簡便的でかつ企業実態を把握できていないことも懸念されました。
ゼロゼロ融資の回収不能が問題視された背景として「本格的な返済」を迎えたことにより、
元金返済を開始する事業者が多いということが考えられます。
これに加え、日本の経済環境も変わり、
「原材料やガソリンの高騰」や「為替の影響による急激な円安」が
中小零細企業の資金繰りに大きな重荷となり、
まさにトリプルパンチによって資金繰りが困窮してしまう結果となりました。
(出所)日本政策公庫提出資料、全国信用保証協議会連合会資料を引用
日本政策機構の信用保証申請件数の推移では、
ゼロゼロ融資が始まった直後の2020年4月~6月までの間の申請が増加しています。
その後は減少傾向となりましたが、
金融機関でのゼロゼロ融資の申込期限が迫るにつれて増加しています。
据置期間は3年で融資を受けた企業が多く、
申請のピーク時に融資を受けた企業の返済が2023年の7月頃から本格的な返済が始まっています。
今後も据置期間の満了を迎えた企業の本格的な返済が
開始されることも含めると今以上の回収不能が考えられます。
金融機関としても今後は融資判断が固くなり、
過剰債務の企業に対しての追加融資は困難になることも予想されます。
アフターコロナ時代においての中小企業側の一番の課題は“資金繰り”の把握と安定化、
そして“資金調達の選択肢を確保”することです。
会社が倒産する一番の原因は「資金が枯渇し、支払いができなくなること」です。
自社の資金状況はどのような状態なのか、
資金がショートする可能性はあるのかを可視化できるようにしておくことで
早急な対策を打つことも可能となります。
本ブログを読んでいただいた皆様の新たな資金調達や資金繰りの課題など
お悩みの方は是非、弊社までご相談ください。