2024年02月06日スタッフブログ
「当座貸越」の減額を金融機関に求められた場合はどのようにすべきか?
銀行取引をする中で経営者の方は一度は聞いたことがある貸出方法として
当座貸越という貸出があります。
これは極度額をあらかじめ設定しておくことでその範囲内であれば借りたり、
返済をしたりすることが可能であり、融資を受けたい都度、
金融機関に相談をせずとも自由にその範囲内で利用することができます。
また、当座貸越は枠を設定しただけでは金利は発生せず、
あくまで金利が発生するのはその枠の範囲内で借入をした場合金利が発生します。
上記に記載したようにこの当座貸越は自由に借り入れを返済が行えるため
使い勝手は良いものと思いますが、金融機関としては極度額を設定することで自由に借りたり、
返済ができるためその分、審査は厳しくなります。
言い方を変えるとこの当座貸越を利用できているということは
その金融機関の中で会社の評価は高いと言い換えることもできるでしょう。
しかし、新型コロナウイルスによる売上減少により企業の必要な運転資金の金額は下がりました。
コロナ以前に当座貸越を利用している中小企業であっても、
金融機関から売上減少を理由に当座貸越の極度額の見直しを言われているケースも散見されています。
もし、仮に金融機関から見直しをされた場合、
経営者として何を把握しておかなければならないかをお伝えさせていただきます。
現状の運転資金はいくらであるかを知っておくこと
売上減少の局面では売掛金や在庫は下がることが一般的であり、
その減少により必要な運転資金も当然下がります。
その場合、銀行が考える必要運転資金は必然と少なくなってしまう可能性があるわけです。
しかしながら、現状として資金繰りに困窮されている会社も多く存在しております。
コロナ特別融資は、今までの融資とは異なる特別処置の性質が強く、
多くの会社が資金調達を受けましたが、
この資金調達は「運転資金」というよりは「赤字補填資金」の認識が正しいでしょう。
国としてもコロナウイルスを原因とした売上減少による資金繰りの悪化を回避するため、
または赤字を補填するために実施したということになります。
減額された金額と当初の差額の返済について理解しておく
当初の金額と減額された金額の差額については一括での返済、
または長期融資への切り替えにて返済をする2つの方法があります。
しかし、一般的には一括返済を求められる可能性が高いということと、
長期の返済に切り替えられる余地があるかの有無はその会社の現在の財務状況次第となります。
特に注意すべき点は長期の返済に切り替えを検討してもらえたとしても協会融資での対応となった場合、
保証枠の問題もあります。
現在利用している保証枠が多ければその分保証が下りないケースも十分に考えられるからです。
2つの方法が困難であった場合、現状としてはリスケジュールを検討することになります。
資金繰りに困窮する中でまとまった資金を返済に回すことは事業運営にとって大きなリスクとなります。
自社の借入残高だけでなく、金融機関との今後の取引についてもしっかり把握をし、
円滑な銀行取引を行うことが大切です。