2024年04月16日スタッフブログ
手形取引をしている中小企業の経営者様はより資金繰りの管理が重要となる理由は?
公正取引員会と中小企業庁が中小企業の資金繰り対策として手形サイトが
「60日を超える」手形発行事業者に対し、
一律指導が可能となる下請代金支払遅延等防止法の指導基準を改訂する方向です。
従来は「120日」を超える場合のみ指導の対象でしたが、
現場では期間の短縮がしづらい事業者が多いことを鑑み、
政府による指導権限が強化されることで介入しやすくなります。
また、60日を超える手形は金融機関でも「割引困難な手形」と判断されることとなり、
発行者、受取者共に影響がでてきます。
運用開始はまだ少し先の話ですが、
手形発行事業者の資金繰りに影響があることから資金繰り支援策も併せて用意する方針です。
その場合に考えておかなければならない点として下記に記載をさせていただきます。
①手形発行者が考えておくべき事項→今後の運転資金について備えておくこと
「120日」→「60日」と短縮される場合に従来よりも支払うペースが早期化されます。
発行事業者の目線で考えると取引先への支払いになるため「買掛金」となりますが、
運転資金の考え方でいうと、
「買掛金」の金額が短縮される=運転資金の金額は増加する可能性があります。
120日→60日への短縮となれば、買掛金の「2か月分」は少なくとも運転資金が必要です。
その場合の対策としては、
「増加運転資金分の資金調達」か「売掛金回収サイトの短縮」を検討しなけれがなりません。
②手形受取者が考えておくべき事項→手形発行者の手形サイトに注意する。
「60日」を超える手形が金融機関から「割引不可」になる可能性があり、
従来まで受取手形を割引いて金融機関から資金化していた事業者につきましては、
今後資金繰りが悪化する可能性があります。
また、「裏書譲渡」の支払いの場合、
「60日」を超えるものは金融機関から「受取不可」とみなされる可能性もあります。
そのため受け取り側の事業者としては発行事業者の対応方法について確認しておくことが重要です。
手形取引を行っている事業者様は今後の改正に伴い、
資金繰りに影響を与える可能性が実あることを念頭に置きながら情報を収集することが求められます。