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2024年05月14日スタッフブログ

ゼロゼロ融資を受けた企業による倒産が続出~国の支援策はない中、対策をとらない企業は淘汰される可能性~

 

新型コロナウイルスの感染症法上による位置付けが5類に緩和されてから、

2024年5月8日で約1年が経過しました。

 

コロナ禍での中小企業事業者への資金繰り対策として

多くの企業が利用した実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の負担が重く、

過剰債務を抱えて倒産する中小企業が続出していることを東京商工リサーチが発表しています。

 

 

また、日本銀行が約17年ぶりとなる金利政策の解除(利上げ)に踏み切ったことも

借入を受けている企業にとっては大きな影響があります。

 

日本銀行が利上げを進めると、借入金の支払負担が増え、

経営はより厳しくなることが予想されます。

 

新たな中小企業の支援策もない状況であることから、

今後対策が取れない企業は淘汰され、

日本の中小企業市場が大きく新陳代謝することが考えられます。

 

コロナ禍の厳しい環境に対し、ゼロゼロ融資をはじめとした金融政策で凌いだ企業のうち、

借入をしたことで過剰債務に陥った企業も少なくありません。

 

経済も平時に戻り、売上も徐々に回復していくと共に資金需要が活発になった企業も増えていますが、

借入が多くなってしまった企業は金融機関からの新たな資金調達は難易度が上がります。

 

 

ここ数年ではそれに追い打ちするように円安による

物価高や人件費高騰といったコストの上昇が目立ち、

より経営難に追い込まれる企業が増加しているのも事実です。

 

2024年4月、民間ゼロゼロ融資の返済開始が最後のピークを迎えたことにより、

これを契機に本格的に資金繰りに行き詰まる企業が注目されてきております。

 

政府の対策としては、借換保証などのコロナ資金繰り支援を2024年6月末まで延長し、

7月以降はコロナ前の支援水準で経営改善や再生支援に重点を置いた

資金繰り支援を基本とする方針を打ち出しておりますが、

この支援策に該当する企業は、「本業での事業活動が順調であることが前提」となり、

今後この支援の対象とならない企業は一定数発生する可能性が危惧されます。

 

 

【産業別状況】

(東京商工リサーチ調べ引用)

 

産業別では、サービス業他が17件となり、全体の約3割(構成比26.9%)を占めた。

次いで、製造業が13件(前年同月比44.4%増)、建設業12件(前年同月同数)、

小売業8件(前年同月比166.6%増)、卸売業7件(前年同月同数)、運輸業4件(同ゼロ)、

不動産業(前年同月同数)と情報通信業(前年同月比66.6%減)が各1件の順。

前年同月より増加が4産業、減少が2産業、同数が4産業だった。

 

 

【業種別】

(東京商工リサーチ調べ引用)

 

業種別(中分類)では、「飲食店」6件が最多。

インバウンド需要が回復する一方、原材料費や光熱費の高騰、

人手不足に伴う人件費の上昇を吸収できず、事業継続を断念したケースが多かった。

次いで、「総合工事業」と「職別工事業」が各5件で続く。

材料費や労務費の高騰が収益を圧迫したほか、工期遅れも招き、資金繰りに行き詰まった。

このほか、「食料品製造業」4件、「道路貨物運送業」3件などが続く。

 

 

今後、中小企業にとって厳しい経済環境であることが予測されることから自社だけの問題ではなく、

取引先の影響を受けてしまうケースも大いにあり得ます。

 

企業が今後生き残るためには利上げに備えた財務基盤の強化および、

会社の課題を早期に抽出し、改善、検証を図る努力を経営者様自身が実施していくこと、

それを金融機関の担当者へ説明ができ、支援をしてもらえる関係性の構築が求められます。

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