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2023年08月29日スタッフブログ

銀行が優良顧客と判断するのはどんな会社なのか?

お世話になっております。

PMG Partnersの佐々木でございます。

 

 

近年はコロナ対策も緩和され、日常生活や働き方も戻りつつあります。

しかし、円安や物価上昇、コロナ融資の返済など企業はまだまだ外部環境の変化の対応に迫られています。

 

その中で多くの経営者様がコロナを経て、今後の金融機関との付き合い方に不安を感じている声も増えてきております。

今回は、そのような不安を少しでも払拭できればと思い

今後の金融機関との付き合い方や、金融機関は企業のどんなところを見ているのか?

についてお伝えさせていただきます。

 

 

 

銀行がみているものは決算書だけではない

 

 

銀行が優良な取引先と判断する材料にはどのようなものがあるのでしょうか?

 

 

すぐにパッと思いつくものは「決算書」だと思います。

しかし、銀行はこの「決算書」だけで判断をするかというとそうではありません。

 

ではどんなところを見ているのか?というのがポイントとなります。

ここは銀行員がなかなか教えない内容になりますので是非知っておいてくださいね。

 

 

銀行が見ているところとは

 

融資を受けている銀行の場合、「預金金額」を見ています。

 

 

それはなぜなのか?

 

銀行では「実質金利」という考え方で収益を考えているからです。

 

この「実質金利」を簡潔に説明すると、融資をしている会社が銀行に対してどれだけ収益で

貢献してくれているかを見るものです。

 

※融資を受けるときの金利は「表面金利」と呼ばれており、この実質金利とは全く異なります。

 

 

一言で言うとこのようになります。

 

 

■「表面金利」→会社が借りている金利
■「実質金利」→銀行内部で管理して見ている金利

 

 

銀行が預金を見る理由を「実質金利」に当てはめて解説します。

 

例えばA銀行に以下の取引があったとします。
・3,000万円の借入
・1,500万円の預金
・融資金利は1%(これが表面金利です)

 

 

それではこの会社の「実質金利」はいくらになるでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は・・・・・2%です!

 

 

先ほどの例に当てはめると計算方法としては以下の計算となります。

(支払利息-預金利息)/(借入金-預金)

 

 

支払利息:30万円
預金利息:0円※預金金利は0.001%であるためほとんど利息が付かないとします。
借入金:3,000万円
預金 :1,500万円

 

 

計算式に当てはめると
(300,000円-0円)÷(30,000,000円-15,000,000円=2%【実質金利】

 

 

銀行としては事実として3,000万円を1%で貸していますが、

1,500万円を預金してもらえているため(預金金利はほぼ0)

 

 

実際には差し引いた1,500万円だけ貸していると同じことであり、

かつ3,000万円の1%の金利で貸しているため実質金利は大きくなります。

 

 

 

融資をしていてかつ預金も多く預けてくれる

→銀行が実質的に負担している金額は少なくなり、金利はその融資金額の金利になるため

 

 

実質金利が高い=銀行の収益に貢献している優良顧客と見られやすくなります。

 

 

これって銀行が得をするのでは?と思ってしまう方もいますが、得をさせていいんです。

なぜなら銀行の収益が上がらなければその先の融資に繋がらないからです。

 

 

あくまで預金をしていることで実質的には銀行に収益をもたらしているだけであり、融資を受けている会社の金利が2%に増えているわけではありません。

 

 

会社の財務や業績を上げて優良先と判断されるためには長い年月が必要になることも当然あります。

しかし、この方法は預金の預け替えをするだけです。

 

 

 

 

今後の金融機関との取引の参考になれば幸いでございます。

経営を行う中で少しでも不安に感じることがございましたら是非お気軽にご相談ください。

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