2024年06月28日スタッフブログ
金融機関からの貸出利息の引き上げが今後開始されます
2024年3月19日に日本銀行の「マイナス金利解除」があったことは聞いたことがあるかもしれません。
マイナス金利解除が中小企業にとってどのような影響があるのか?
それは「貸出金利が引き上げられる」ということです。
従来まではマイナス金利の影響もあり、金融機関からの貸出金利は低い水準にありましたが、
直近の新規融資における貸出の平均金利や既存の貸出金利も高水準になりつつあります。
これは全国の金融機関に該当するため特定の金融機関だけの話ではありません。
どの金融機関でも金利引上の動きが活発になってきており、
融資を受けている企業としても、
今後の資金調達や企業の経営を考える際には避けては通れなくなってきております。
銀行が金利を決める際に何をもって決定しているのかを第一に理解しておく必要があります。
銀行の貸出金利を決める際には以下の内容から決まります。
➀調達コスト
預金者からお金を集めるコスト
➁事務コスト
銀行の行員や維持管理コスト
➂信用コスト
融資先の会社の状況に応じて、ある一定の積立をするコスト
④利益
銀行の収益
マイナス金利解除の要因となりえるものとしては「調達コスト」の上昇が大きいです。
預金金利は従来に比べ引き上げられたことから預金者にとっては微々たるものですが、
預金に対しての金利は増加しています。
金融機関から見た場合、
お金を預金してもらうことで従来よりも多く利息を支払わなければならなくなります。
これはお金を仕入れるコストの増加を意味し、
そのコストを加味した場合の価格転換のようなものとなります。
次の理由として「信用コスト」の増加です。
こちらのコストは銀行が融資をしている会社毎に行う信用格付の債務者区分に応じて
積み立てる引当コストです。
アフターコロナでは業績が芳しくない会社や倒産件数の増加に伴い、
"格付評価を下げざるをえない"="引当コストとして銀行が積み立てるコストが増加すること"を意味します。
現在の経済情勢は物価高、人手不足から会社の業績が悪化していることも要因の一つです。
現在の金利上昇には「仕入コスト」「信用コスト」の影響が大きいです。
この状況下で企業側がすべきこととしては、
・取引先への価格転嫁を実施し、利益率の改善を図ること。
・社内DXをはじめとした業務効率化を図り、効率的なビジネスモデルの構築をすること。
・融資提案を受けている会社であれば他の銀行との提案状況も含めた相見積もりを取ること。
会社を継続し、成長するためには金融機関の支援は必ず必要となります。
その場合に金利コストを賄える利益の獲得から業績の改善から信用力の向上が必要です。
信用が高ければ高い金利の場合、
他の金融機関に乗り換えられる可能もあるため高水準な金利になりづらくなります。
会社の今後の金利対策は会社の業績をいかに改善できるか、経営者様がどのように行動するかで決まります。